部屋の印象が変わる!室内ドアをペイントで手軽にDIY事例
室内ドアのペイントで、いつもの空間が見違える
毎日目にする室内ドア。お部屋のアクセントになる一方で、長年使っていると色褪せたり、小さな傷が増えたりして、部屋全体が少し古びた印象になってしまうことがあります。そんな室内ドアも、色を塗り替えるDIYで驚くほど雰囲気を変えることができます。大掛かりな作業は難しそうと感じるかもしれませんが、適切な材料を選び、手順を踏めば、DIY初心者の方でも挑戦しやすいリノベーションの一つです。今回は、そんな室内ドアのペイントDIY事例をご紹介します。
Before:使い込まれた室内ドア
リノベーション前の室内ドアは、一般的なフラッシュ戸(平らな板状のドア)で、温かみのある木目調ではありましたが、経年による日焼けや小さな擦り傷が目立ち始めていました。特に、ドアノブ周りはよく触れるため、塗装が剥げかけた箇所もあり、お部屋全体の雰囲気を少しくすんだ印象にしていました。ドア自体の機能に問題はありませんでしたが、見た目の変化を求めるタイミングでした。
DIYのプロセスとポイント
この事例で挑戦したのは、既存の室内ドアを好みの色に塗り替えるという方法です。ドアを交換するよりもずっと手軽で、予算も抑えることができます。
使用した材料と道具
- 塗料: 今回は、ニオイが少なく乾燥も早い水性の室内用塗料を使用しました。ドアの色を大きく変えたかったため、下地の色に左右されにくい隠ぺい力の高いタイプを選びました。ホームセンターで手に入る一般的な水性塗料で十分です。
- プライマー(またはマルチプライマー): 塗料の密着性を高め、下地の色を隠すために使用します。特に元のドアの色が濃い場合や、表面がツルツルしている場合に効果的です。水性タイプを選べば、後から塗る水性塗料との相性も良いでしょう。
- サンドペーパー: ドア表面の軽い汚れや古い塗膜をならし、塗料の定着を良くするために使います。#240〜#400程度の細かい番手が適しています。
- マスキングテープ、マスカー: 塗らない箇所(壁、床、ドア枠、ガラス面など)をしっかり保護するために必須です。マスカーはシートとテープが一体になっているため、広範囲の養生に便利です。
- 刷毛、ローラー、ローラーバット: 広い面はローラーで効率よく、角やヘリ、装飾部分は刷毛で塗ります。ローラーバットがあると、塗料を適量つけるのに便利です。
- 使い捨て手袋、汚れても良い服装: 塗料が付くと落ちにくいため、準備しておくと安心です。
基本的な手順
- 準備と養生: まず、ドアノブなど取り外せる金物類は全て取り外します。次に、ドア周りの床や壁、ドア枠など、塗料が付いてはいけない箇所をマスキングテープとマスカーでしっかりと養生します。この養生作業が仕上がりを左右する最も重要なポイントの一つです。多少時間をかけてでも、隙間なく丁寧に行います。
- 下地処理: ドア表面全体を軽くサンドペーパーで研磨し、細かいホコリなどをきれいに拭き取ります。これにより塗料のノリが良くなります。
- プライマー塗り: 必要に応じてプライマーをドア全体に薄く均一に塗ります。刷毛やローラーを使ってムラなく塗り広げ、指定された乾燥時間しっかりと乾かします。
- 本塗り(1回目): 塗料をよく混ぜ、刷毛やローラーを使って塗り始めます。広い面はローラーを使い、一定方向に塗るとムラになりにくいです。端や細かい部分は刷毛を使います。薄く塗るのがコツです。塗り終わったら、メーカー指定の乾燥時間を守り、十分に乾かします。
- 本塗り(重ね塗り): 1回目が完全に乾いたら、必要に応じて2回目、3回目を塗ります。重ね塗りすることで色が濃くなり、ムラも解消されやすくなります。こちらも各回しっかりと乾燥させることが重要です。
- 仕上げ: 塗料が完全に乾いたら、慎重にマスキングテープとマスカーを剥がします。取り外していた金物類を元に戻せば完成です。
初心者・低予算で実現するためのポイント
- 水性塗料を選ぶ: シンナー臭が少なく、使った道具も水で洗えるため、DIY初心者の方には水性塗料が断然おすすめです。
- 養生は徹底的に: 塗料がついてほしくない場所に付着するのを防ぐには、丁寧な養生が何よりも重要です。ここを妥協しないことが、きれいな仕上がりにつながります。
- 薄く重ね塗り: 一度に厚く塗ろうとすると、垂れたりムラの原因になります。薄く塗って、乾かしてから重ね塗りする方がきれいに仕上がります。
- ローラーと刷毛の使い分け: 平面はローラーで効率よく、角や細かい部分は刷毛で塗ることで、作業時間を短縮しつつ、きれいな仕上がりを目指せます。
- 安価な材料でもOK: ドア1枚程度であれば、ホームセンターで手に入る比較的安価な水性塗料や道具でも十分にきれいに仕上がります。
苦労した点
この事例で少し苦労した点としては、ドアの装飾部分(モールディングなど)の細かな部分を刷毛で塗る際に、少しムラになりやすいことでした。これは、塗料をつけすぎず、刷毛の跡が残らないように一定方向に丁寧に塗ることを心がけることで、解決できました。また、養生は手間がかかる作業ですが、ここを怠ると後から壁や床についた塗料を落とす方が大変になるため、ここは手を抜かずに取り組みました。
After:明るく洗練された空間に
ペイントDIYを終えた室内ドアは、元の木目調から明るいホワイトへと変化しました。この変化が、部屋全体の印象を劇的に明るく、そして広く見せる効果をもたらしました。ドアの色が変わるだけで、まるでモデルルームのような洗練された雰囲気に生まれ変わりました。
見た目の変化だけでなく、表面が滑らかになり、手触りも向上しました。部屋に入るたびに新しいドアが目に入り、気持ちが明るくなります。古いドアの傷や色褪せも完全に隠れ、新築のようなきれいな状態になりました。ペイントはリメイクシートとは異なり、ドアの凹凸や質感を活かしつつ、色だけを変えることができるため、より自然で高級感のある仕上がりになったと感じています。
まとめ:小さな一歩で大きな変化を
室内ドアのペイントDIYは、面積は小さいながらも部屋全体の印象を大きく変えることができる、非常に効果的なリノベーションです。大掛かりな工事は必要なく、材料費も比較的安価に抑えられるため、DIY初心者の方や、予算を抑えたい方にもおすすめです。
養生や重ね塗りなど、丁寧な作業は必要ですが、その分、完成した時の達成感は格別です。もし、お部屋の雰囲気を手軽に変えたいと考えているなら、まずは室内ドア1枚からペイントに挑戦してみてはいかがでしょうか。きっと、その変化に驚き、DIYの楽しさを実感できるはずです。