見違える!古いタンスをおしゃれにペイントするDIY事例
古いタンスがお部屋の雰囲気に合わない…そんな時はペイントDIYで解決
お部屋の模様替えをしたいけれど、長年使っている古い家具がどうにも部屋の雰囲気に合わない、あるいは傷やくすみが気になるというケースは少なくありません。特に大きなタンスなどは買い替えも難しく、そのまま使い続けているという方もいらっしゃるでしょう。
今回ご紹介する事例は、そんなお悩みを、初心者の方でも比較的取り組みやすい「ペイントDIY」で解決し、見違えるほどおしゃれな空間へと変化させたケースです。大きな家具一つが変わるだけで、お部屋全体の印象がどのように変わるのか、そのプロセスとポイントをご紹介します。
Before:くすんだ色合いで存在感を放っていた古いタンス
今回の事例の主役は、長年使われてきた木製のタンスです。機能的には問題なく、引き出しの開閉もスムーズですが、表面の色合いは日焼けやくすみによってムラがあり、デザインも一昔前のものです。お部屋全体を明るく、もう少しモダンな雰囲気にしたいというイメージに対し、タンスの存在感が良い意味ではなく、空間の中で浮いてしまっている状態でした。このタンスをどのように部屋に馴染ませ、インテリアの一部として活かすかが課題でした。
DIYのプロセスとポイント:必要なのは少しの手間とアイデア
古いタンスをペイントして生まれ変わらせるために行ったDIYのプロセスと、初心者の方でも参考にしやすいポイントを解説します。
使用した材料と道具
- 水性塗料(タンスの素材や目指す質感に合わせて選びます。木材用の水性塗料は扱いやすく、乾燥も比較的早いため初心者におすすめです)
- プライマー(元の塗装の上から塗る場合や、塗料の密着を高めたい場合に必要です)
- サンドペーパー(#180~#240程度の粗さのものが、表面を軽く整えるのに便利です)
- ハケ、ローラー(広い面はローラー、細かい部分はハケを使うと効率的です)
- 塗料を入れる容器(バケットなど)
- マスキングテープ、マスカー(養生用)
- 養生シート(床や周囲を汚さないために必須です)
- 手袋
- ウエス(布)
予算を抑える工夫として、塗料はホームセンターのプライベートブランド商品を選んだり、セール時期に購入したりするのも良い方法です。ハケやローラーも、セットで売られている安価なもので十分対応できます。
基本的な手順
- 下準備(清掃と分解): まず、タンスの中身をすべて取り出し、表面のホコリや汚れをしっかりと拭き取ります。引き出しや取っ手など、外せる部分は外しておくと、後でペイントする際に楽で仕上がりがきれいになります。外した金具などはなくさないようにまとめておきます。
- 養生: ペイントしない箇所(引き出しの内側や壁、床など)をマスキングテープと養生シートでしっかりとカバーします。これが仕上がりを左右する非常に重要な工程です。多少面倒に感じても、丁寧に行うことで後片付けも楽になります。
- やすりがけ(サンディング): 表面を軽くサンドペーパーでこすり、塗料の乗りを良くします。この事例では、元の塗装を完全に剥がすのではなく、表面をなめらかにし、塗料の食いつき(密着)を良くするための軽いサンディングに留めました。出る粉塵はしっかりと拭き取ります。
- プライマー塗り(必要に応じて): 元の色が濃い場合や、塗料の密着が心配な場合は、プライマーを全体に薄く均一に塗ります。プライマーが完全に乾燥するまで待ちます(乾燥時間は製品の指示に従ってください)。
- ペイント: 塗料をよく混ぜ、ハケやローラーを使って薄く均一に塗ります。一度に厚塗りするとムラの原因になるため、薄く塗り重ねるのがポイントです。木目に沿って塗ると、より自然な仕上がりになります。この事例では、落ち着いたグレーを選びました。
- 重ね塗り・乾燥: 一回目の塗料が完全に乾燥したら、必要に応じて二回、三回と重ね塗りをして色ムラをなくし、発色を良くします。塗料の乾燥時間は製品によって異なりますが、焦らずしっかりと乾燥させることが成功の鍵です。
- 仕上げ: 塗料が完全に乾燥したら、養生を剥がし、外しておいた引き出しや取っ手を元に戻します。
初心者・低予算で実現するためのポイント
- 塗料選び: 水性塗料は臭いも少なく、乾きも比較的早いので初心者向きです。種類も豊富で、ホームセンターなどで手軽に入手できます。
- 丁寧な養生: これが失敗を防ぐ最大のポイントです。塗らない場所への塗料のはみ出しは、後からの修正が非常に大変です。
- 薄塗りの徹底: 一度にきれいに塗ろうとせず、薄く塗り重ねることでムラなく美しい仕上がりになります。多少の塗りムラも、手作り感として楽しめるのもDIYの良いところです。
- 取っ手などの活用: 取っ手を新しいものに交換するだけでも、タンス全体の印象は大きく変わります。既存の穴を利用できるものを選べば、さらに簡単です。この事例では、元の取っ手をそのまま使用しましたが、それでも十分な変化が得られました。
苦労した点としては、引き出しの角や彫刻された部分など、細かい箇所のペイントに少し時間がかかりました。小さいハケを使ったり、塗料をつけすぎないように注意しながら進めることで乗り越えました。
After:お部屋の雰囲気に調和する、おしゃれなアクセントに
ペイントDIYを終えたタンスは、元のくすんだ印象から一変し、モダンで落ち着いたグレーへと生まれ変わりました。部屋の壁の色や他の家具との調和が取れ、空間全体に統一感が生まれました。以前は存在感が浮いていましたが、リノベーション後は部屋のおしゃれなアクセントとして、心地よく馴染んでいます。
見た目が新しくなったことで、タンスそのものへの愛着も増しました。収納力はもちろんそのままに、毎日目にするたびに満足感が得られるようになりました。大きな家具のリノベーションは大変そうに感じますが、色を変えるだけでもこれほど大きな変化が得られることに、改めてDIYの可能性を感じる事例となりました。
まとめ:ペイントDIYで家具を生まれ変わらせてみませんか
使わなくなった古い家具や、デザインが部屋に合わなくなった家具も、ペイント一つで見違えるほどおしゃれに生まれ変わらせることができます。今回のタンスの事例のように、特別な技術がなくても、少しの材料と丁寧な作業で、大きな変化を生み出すことが可能です。
「失敗したらどうしよう」「難しそう」と感じるかもしれませんが、家具のペイントは比較的やり直しもしやすく、DIY初心者の方にも挑戦しやすいリノベーションの一つです。小さな椅子や棚から始めて、慣れてきたら大きな家具に挑戦してみるのも良いでしょう。お部屋の印象を大きく変えたい、でも予算は抑えたいという方は、ぜひ家具のペイントDIYに挑戦してみてはいかがでしょうか。きっと、自分で作り出す空間の変化に満足感を得られるはずです。