和室の木部を見違える!ペイントで簡単洋室風DIY事例
和室の木部をペイントで洋室風に。手軽に見違えるDIY事例
和室の持つ落ち着いた雰囲気は魅力的ですが、時にはお部屋全体の印象をガラリと変えてみたいと感じることがあるかもしれません。特に、長年住んでいると柱や鴨居、敷居といった木部が色褪せたり、日焼けしたりして、部屋全体がくすんで見えてしまうことがあります。
大掛かりなリフォームは難しくても、木部をペイントするだけでもお部屋の印象は大きく変わります。今回は、和室の古い木部をペイントで洋室風に生まれ変わらせたDIY事例をご紹介します。初心者の方でも比較的取り組みやすく、費用も抑えられる方法です。
Before: 古びた和室の木部
リノベーション前の和室は、築年数とともに木部が飴色に変色し、全体的に暗く重い印象でした。柱や鴨居には細かな傷や汚れもあり、古さを感じさせる状態でした。この木部が空間の大部分を占めているため、壁や畳を張り替えたとしても、どこか古い雰囲気から抜け出せないという課題がありました。
DIYのプロセスとポイント
この事例では、和室の木部(柱、鴨居、長押、枠など)を明るい色の塗料でペイントし、洋室のような雰囲気に変えることを目指しました。
使用した主な材料と道具はこちらです。
- 水性塗料(木部用): 今回は、壁の色とのバランスを考えて、ややアイボリーがかった白色を選びました。水性塗料は臭いが少なく、乾燥も早いので室内での作業に適しています。木部用を選ぶことで、密着性が高く、きれいに仕上がります。
- 下塗り材(アク止め・ヤニ止めシーラー): 古い木部からはアクやヤニが出やすく、これが原因で塗りムラになったり、後から色が滲み出てきたりします。これを防ぐために、アク止め・ヤニ止め効果のあるシーラーを下塗り材として使用しました。
- ハケ、ローラー: 柱のような細長い部分や角はハケ、比較的平面が広い鴨居などは小さなローラーを使うと効率的です。細かい部分用に幅の狭いハケもあると便利です。
- マスカー、マスキングテープ: 塗料が付いてほしくない場所(壁、天井、床、隣接する襖など)をしっかりと養生するために必須です。マスカーはテープとビニールが一体になっているので広範囲の養生に役立ちます。
- サンドペーパー(細かい番手): 必要に応じて、木部の表面の汚れや古い塗膜を軽く削るために使用します。
- バケツ、ウェス: 塗料を薄めたり、道具を洗ったり、拭き取りに使います。
基本的な手順の概要です。
- 清掃: まず、ペイントする木部のホコリや汚れをしっかりと拭き取ります。汚れがひどい場合は中性洗剤を含ませた布で拭き、よく乾燥させます。
- 養生: ペイントしない箇所(壁、天井、床、窓ガラス、襖や障子の枠、コンセントプレートなど)をマスカーとマスキングテープで隙間なく覆います。特に、柱や鴨居と壁・天井の境目は丁寧に養生することが、仕上がりを大きく左右するポイントです。
- 下塗り(シーラー塗布): 下塗り材をハケで均一に塗布します。木材の種類や古さによっては、アクやヤニが強い場合があるので、必要に応じて二度塗りします。パッケージに記載された乾燥時間を守り、しっかりと乾かします。この工程を省くと、きれいに仕上がらなかったり、後から問題が発生したりする可能性が高まります。
- 本塗り(ペイント): 完全に下塗りが乾いたら、本塗りの塗料を塗ります。一度に厚く塗ろうとせず、薄く均一に塗るのがコツです。塗料が垂れないように注意しながら作業します。ハケ跡が気になる場合は、最後に毛先の柔らかいハケで軽く表面を撫でるように整えます。
- 重ね塗り: 一度塗りが完全に乾いたら、二度目を塗ります。木部の色をしっかりと隠し、ムラなく仕上げるためには、二度塗り、場合によっては三度塗りが必要です。塗料のパッケージに記載された乾燥時間は必ず守りましょう。
- 養生剥がし: 塗料が完全に乾く前に、マスカーやマスキングテープを剥がします。完全に乾いてしまうと、塗料と一緒に剥がれてしまうことがあるためです。
この事例における工夫や初心者向けのポイント:
- 丁寧な養生: 失敗を防ぐ最も重要な工程は養生です。多少時間はかかっても、きれいに養生することで、後片付けも楽になり、仕上がりも格段に向上します。特に床には新聞紙やブルーシートなども敷いておくと安心です。
- 下塗りの重要性: 古い木部の場合、アクやヤニは初心者には予測が難しい問題です。下塗り材を使用することで、これらの問題を未然に防ぎ、本塗りの発色も良くなります。手間を惜しまず行うべき工程です。
- 塗料の選び方: 水性塗料は扱いやすく、後片付けも水で洗えるため初心者におすすめです。室内の木部用として販売されているものを選びましょう。少量から販売されているものもあるので、必要な量だけ購入すれば予算も抑えられます。
- 垂れ対策: 塗料をハケやローラーに付けすぎないこと、縦方向の面を塗る際は下から上に塗ることで垂れにくくなります。もし垂れてしまったら、乾く前にウェスで素早く拭き取りましょう。
- 予算を抑えるには: 高価な輸入塗料ではなく、ホームセンターなどで手軽に入手できる国内メーカーの水性塗料でも十分にきれいに仕上がります。必要な量だけ購入し、道具も安価なもので揃えれば、比較的低予算で実現可能です。
苦労した点としては、古い木部に付いた細かな傷やへこみを完全に消すことは難しかったことです。しかし、ペイントすることでそれらのアラも目立たなくなり、逆にそれが味わいになったと感じています。
After: 明るく生まれ変わった洋室風空間
木部を明るい白色でペイントしたことで、お部屋全体が驚くほど明るく、開放的な印象に変わりました。古びた印象は消え、清潔感のある洋室のような空間になりました。壁や床の色とのコントラストも生まれ、インテリア雑貨なども飾りやすくなりました。
以前はどこか暗く感じていた部屋が、ペイントによってぱっと明るくなり、気分まで明るくなったように感じます。和室の趣を残しつつも、現代のインテリアに馴染む、居心地の良い空間になったことに大変満足しています。
まとめ
和室の木部ペイントは、少しの知識と丁寧な作業があれば、DIY初心者の方でも挑戦しやすいリノベーションです。特に、古い木部の雰囲気を一新したい、お部屋を明るく洋室風に変えたいといった方におすすめです。
養生や下塗りといった地道な作業が仕上がりを左右する鍵となりますが、その手間をかけた分だけ、見違えるような変化が得られます。予算を抑えつつ、お部屋の印象を大きく変えたいとお考えの方は、ぜひ和室の木部ペイントに挑戦してみてはいかがでしょうか。きっと、その変化に驚くはずです。